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論文

Foam flotation of clay particles using a bifunctional amine surfactant

Micheau, C.; 上田 祐生; 元川 竜平; Bauduin, P.*; Girard, L.*; Diat, O.*

Langmuir, 39(31), p.10965 - 10977, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)

Understanding clay flotation mechanisms has become a major concern because of the increasing level of environmental contamination of soil and ground water by heavy metals and radionuclides. Clays are often used as sorbents for extracting metals in indirect flotation processes but can function simultaneously as defoamers. However, how foam generation and stability depend on the molecular interactions between the clays and surfactant is still controversial. In the present study, an amine polyethoxylated surfactant was used as a bifunctional surfactant that collected clay particles and acted as a foaming agent in the flotation process. The pH conditions strongly affected the surfactant physicochemical properties, allowing the clay extraction efficiency to be tuned. The interfacial recovery factor of the clays almost reached 100 percent under acidic (pH lower than 6) and neutral (pH 6-10) conditions, whereas it was negative under alkaline conditions (pH higher than 10), contrary to expectations. To elucidate the mechanisms involved in the particle flotation process for each of the pH conditions, the bulk and foam phases were analyzed. The effects of electrostatic interactions between the solutes and multiscale structure on the clay extraction behavior were investigated by electrophoretic measurements, dynamic light scattering, small-angle neutron scattering, and image analysis. Based on these results, three flotation processes were found depending on pH range: surfactant foam fractionation at pH higher than 10; clay particle foam flotation at pH 6-10; and particle froth flotation at pH lower than 6.

論文

Machine learning potentials of kaolinite based on the potential energy surfaces of GGA and meta-GGA density functional theory

小林 恵太; 山口 瑛子; 奥村 雅彦

Applied Clay Science, 228, p.106596_1 - 106596_11, 2022/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:77.65(Chemistry, Physical)

粘土鉱物の一種であるカオリナイトの機械学習ポテンシャルを構築し、分子動力学法シミュレーションを実施することにより、カオリナイトの各種物性値を評価し、実験結果と比較した。その結果、原子構造や機械的特性を非常に良い精度で実験結果を再現することが確認された。さらに、構築した機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学方シミュレーションで振動状態密度を評価したところ、古典分子動力学法や第一原理計算手法等の既存のシミュレーション手法では再現できなかった中性子非弾性散乱実験の結果をよく再現することがわかった。

論文

粘土を含む水が流れる条件下での巨視き裂を含む花崗岩の透水係数の変化

奈良 禎太*; 加藤 昌治*; 佐藤 努*; 河野 勝宣*; 佐藤 稔紀

Journal of MMIJ, 138(4), p.44 - 50, 2022/04

放射性廃棄物地層処分や化石燃料の採掘、二酸化炭素地中貯留等の工学プロジェクトを考える上で、岩盤内の流体の流れを理解することは重要である。き裂や空隙のネットワークは流路となるため、岩盤内の流体の流れにおいて主要な役割を果たす。本研究では、巨視き裂が自然環境下で含まれている花崗岩を試料として用いて、粘土を含む水が流れる条件下で透水試験を行うことによって透水係数の変化を調べた。その結果、粘土粒子が巨視き裂内で集積してき裂を閉塞させることによって、巨視き裂を含む花崗岩の透水係数が低下した。

論文

計算科学による雲母粘土鉱物の放射性セシウム吸着現象研究

奥村 雅彦

地球化学, 55(4), p.110 - 121, 2021/12

福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムの一部は表層土壌に強く吸着し、住民避難の原因となった。国による大規模除染によって居住地の空間線量率は低下し、住民帰還が実現するに至ったが、除染により排出された放射性セシウムを含む除染除去土壌の処分は今も大きな問題として残されている。放射性セシウムは土壌中の雲母粘土鉱物によって強く吸着されていることが知られているが、その吸着機構は明らかになっていなかった。本稿では、事故以来継続的に実施してきた放射性セシウムの雲母粘土鉱物による吸着現象に対する計算科学的研究について総合的に解説する。

論文

Transfer behavior of cesium adsorbed on clay minerals in aqueous solution

岡本 芳浩; 大杉 武史; 塩飽 秀啓; 赤堀 光雄*

Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists, p.285 - 294, 2021/10

水溶液中におけるいくつかの粘土鉱物に吸着されたセシウムの移行挙動をセシウム元素K吸収端XAFS(X線吸収微細構造)分析により調べた。分析対象とした試料は、セシウムを吸着させた粘土鉱物を水中において、別の純粋な粘土鉱物と混合することによって調製した。それを乾燥した混合粉末のXAFS分析結果を、混合前に得られた結果と比較した。これらのXAFS分析から、イライト,カオリナイト,バーミキュライトの3種類の粘土鉱物が認められ、水中のセシウムが、カオリナイトからイライトとバーミキュライトへ、さらにイライトからバーミキュライトへと移行することが確認された。これらの結果から、セシウムは最終的にバーミキュライトに移行して蓄積すると結論付けられる。

論文

Mechanistic study on the removal of Cs from contaminated soil by rapid ion exchange in subcritical water

福田 達弥*; 高橋 亮*; 原 卓飛*; 尾原 幸治*; 加藤 和男*; 松村 大樹; 稲葉 優介*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.399 - 404, 2021/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:60.71(Nuclear Science & Technology)

As a result of the Fukushima nuclear power plant accident in March 2011, massive amounts of soil were contaminated with radioactive Cs. To remediate the contaminated soil, we are developing a desorption technique for removing Cs from soil using subcritical water. We found that rapid ion exchange of Cs with multivalent cations in subcritical water is an effective desorption technique. To understand the mechanism and structural aspects of this process, in situ observations of the soil layer in subcritical water were carried out by high-energy X-ray diffraction together with pair distribution function analysis, and extended X-ray absorption fine structure analysis. Both the desorption experiments and structural studies indicated that conformational changes of the layer containing Cs$$^{+}$$ under subcritical water conditions promoted intercalation of the hydrated Mg and trapped Cs$$^{+}$$, which facilitated a rapid ion-exchange reaction of Mg$$^{2+}$$ and Cs$$^{+}$$.

論文

植物が生産する有機酸がシデロホア生産微生物の鉱物溶解促進効果に与える影響

木村 建貴*; 香西 直文; 坂本 文徳; 福谷 哲*; 池上 麻衣子*

土木学会論文集,G(環境)(インターネット), 76(7), p.III_375 - III_382, 2020/00

粘土鉱物からのセシウム溶出における植物と植物の根に共生するバクテリア間の相乗効果を解明するため、シロツメクサの根から単離したバクテリアの培養実験を、植物(シロツメクサ)が生産する有機酸(乳酸)と、セシウムを吸着させた黒雲母が存在する条件で行った。バクテリアの増殖の初期(誘導期)に、黒雲母から溶出したセシウム及び鉄等の量が乳酸添加によって増加した。

論文

セシウムを含む粘土鉱物のナノスケール化学状態分析によりセシウム除去プロセスの開発を探る; 軟X線放射光光電子顕微鏡の絶縁物観察への応用

吉越 章隆

放射光利用の手引き, p.130 - 138, 2019/02

次世代放射光利用に関する啓蒙書の分担執筆を行う。2018年出版の論文[Appl. Phys. Lett.112 (2018) 021603]の内容を解説するとともに、次世代放射光を光源とする光電子顕微鏡の発展と環境試料や絶縁性機能性材料分析への可能性を記述する。

論文

Radiocesium interaction with clay minerals; Theory and simulation advances Post-Fukushima

奥村 雅彦; Kerisit, S.*; Bourg, I. C.*; Lammers, L. N.*; 池田 隆司*; Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦

Journal of Environmental Radioactivity, 189, p.135 - 145, 2018/09

 被引用回数:51 パーセンタイル:87.2(Environmental Sciences)

東京電力福島第一原子力発電所事故により、環境中に放出された放射性セシウムは土壌中の粘土鉱物に強く吸着されていることがわかっているが、その吸着メカニズムは今も解明されていない。本論文は、これまで蓄積された粘土鉱物による放射性セシウム吸着現象に関する実験結果と、最新のシミュレーション研究の進展をまとめたものである。論文では、実験結果についてまとめられ、それらの結果を基にした最新のシミュレーション研究によって明らかにされた、次のような研究結果について説明されている:(1)粘土鉱物表面におけるセシウム吸着のエネルギースケール、(2)実験では観測が難しい粘土鉱物エッジの原子レベル構造についての理解の進展、(3)粘土鉱物の水和した層間におけるセシウム吸着現象の詳細、(4)ほつれたエッジにおけるイオン半径と層間距離の関係と吸着の選択性、(5)層間におけるセシウムの深部への移動、(6)放射性セシウムの核崩壊の影響。さらに、これらの知見に基づいた除染による廃棄土壌の減容技術開発の可能性についても述べられている。

論文

未除染森林から放射性セシウムの流出による生活圏の再汚染を防止する技術

長洲 亮佑*; 田邉 大次郎*; 横塚 享*; 熊沢 紀之*; 安食 貴也*; 相澤 雄介*; 長縄 弘親; 永野 哲志; 柳瀬 信之*; 三田村 久吉*; et al.

環境浄化技術, 17(2), p.58 - 61, 2018/03

原子力機構は、茨城大学, 熊谷組およびグループ会社であるテクノスとともに、森林からのセシウムの移行を抑制する新技術を開発した。この新技術では、ポリイオンと呼ばれるイオン性高分子と鉱物である粘土を併用し、降雨や雨水の流れといった自然の力を利用して、セシウムの移行を抑制する。福島県飯舘村で新規技術の実証試験を行い、森林から森林に隣接する牧草地へのセシウム移行に対する抑制効果を証明した。

論文

Nanoscale spatial analysis of clay minerals containing cesium by synchrotron radiation photoemission electron microscopy

吉越 章隆; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 下山 巖; 松村 大樹; 辻 卓也; 西畑 保雄; 小暮 敏博*; 大河内 拓雄*; 保井 晃*; et al.

Applied Physics Letters, 112(2), p.021603_1 - 021603_5, 2018/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.59(Physics, Applied)

放射光光電子顕微鏡(SR-PEEM)を人工的にCs吸着したミクロンサイズの風化黒雲母微粒子のピンポイント分析に適用した。絶縁物にもかかわらず、チャージアップの影響無しに構成元素(Si, Al, Cs, Mg, Fe)の空間分布を観察できた。Csが粒子全体に分布することが分かった。Cs M$$_{4,5}$$吸収端近傍のピンポイントX線吸収分光(XAS)から、1価の陽イオン状態(Cs$$^{+}$$)であることがわかった。さらに、Fe L$$_{2,3}$$吸収端の測定から、Feの価数状態を決定した。我々の結果は、サンプルの伝導性に左右されること無く、SR-PEEMがさまざまな環境試料に対するピンポイント化学分析法として利用可能であることを示すものである。

論文

Reply to "Comments on radiation-damage resistance in phyllosilicate minerals from first principles and implications for radiocesium and strontium retention in soils"

Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦

Clays and Clay Minerals, 65(5), p.371 - 375, 2017/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:79.17(Chemistry, Physical)

本論文は、われわれが発表した論文「層状珪酸塩鉱物の放射線による損傷についての第一原理計算評価と放射性セシウムと放射性ストロンチウムの土壌保持物性に対する示唆」へのコメントに対する返答である。コメントでは、ベータ線によるフレンケルタイプの欠損の生成確率の評価が不十分である、と主張されていた。これに対して、われわれは、コメントで考えられている状況は不十分であり、隣接する粘土鉱物まで考えれば評価は妥当であることを述べた。

論文

Localization of cesium on montmorillonite surface investigated by frequency modulation atomic force microscopy

荒木 優希*; 佐藤 久夫*; 奥村 雅彦; 大西 洋*

Surface Science, 665, p.32 - 36, 2017/11

 被引用回数:11 パーセンタイル:48.83(Chemistry, Physical)

粘土鉱物表面におけるイオン交換反応は、通常その交換量だけに着目し、ミクロスコピックな研究はまだあまりなされていない。本研究では、反応が多く起こると考えられている粘土鉱物表面に着目し、周波数変調方式原子間力顕微鏡を用いてイオン分布を調べた。粘土鉱物はモンモリロナイト、イオンはセシウムイオンを対象として、研究を行った。その結果、セシウムが線状に分布し、その構造がしばらく保たれるという現象を発見した。第一原理シミュレーションにより、粘土鉱物内部の構造を評価したが、内部の電荷が直線構造を取る可能性は低いことが示された。これらの結果は、この直線構造の起源は粘土鉱物表面-イオン-水の三者による未解明吸着プロセスが存在することが示唆していると考えられる。

論文

Transmutation effects on long-term Cs retention in phyllosilicate minerals from first principles

Sassi, M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; Rosso, K. M.*

Physical Chemistry Chemical Physics, 19(39), p.27007 - 27014, 2017/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:17(Chemistry, Physical)

福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性セシウムなどの環境中の放射性セシウムは、粘土鉱物に吸着されて長期間保持されると考えられているが、これまで、放射性セシウムが崩壊した際の効果は評価されてこなかった。本研究は、金雲母(粘土鉱物の一種)に吸着された放射性セシウムが崩壊してバリウムへの核変換が起こると、1価のから2価のイオンへ変化することに着目し、第一原理計算によってその効果を調べた。その結果、金雲母を電荷中性に保つためにセシウムやカリウムを放出する可能性があることがわかった。

論文

Origin of 6-fold coordinated aluminum at (010)-type pyrophyllite edges

奥村 雅彦; Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦

AIP Advances (Internet), 7(5), p.055211_1 - 055211_9, 2017/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:29.59(Nanoscience & Nanotechnology)

放射性セシウムを比較的強く吸着すると予想されている粘土鉱物のエッジは、実験的に調べることが困難であり、未だに構造がわかっておらず、数値シミュレーションによる研究が有効である。これまでに、最も単純な2:1珪酸塩鉱物であるパイロフィライトについて、密度汎関数法等を用いた研究が進められており、エッジ部分のアルミニウムは5つの酸素と共有結合し、さらに、水分子を配位子とした6配位構造が安定であることが知られていた。しかし、電荷の中性条件からは水分子が配位する必要はなく、なぜ6配位が最安定構造なのかは明らかになっていなかった。そこで、我々は、密度汎関数法を用いて詳細に調べた。その結果、アルミニウムが水分子の酸素原子を引きつけ、さらに、水分子の水素とエッジを構成するヒドロキシル基が水素結合のネットワークを構成し、6配位構造が安定化することがわかった。

論文

Molecular dynamics simulations of cesium adsorption on illite nanoparticles

Lammers, L.*; Bourg, I. C.*; 奥村 雅彦; Kolluri, K.*; Sposito, G.*; 町田 昌彦

Journal of Colloid and Interface Science, 490, p.608 - 620, 2017/03

 被引用回数:107 パーセンタイル:93.33(Chemistry, Physical)

分子動力学法を用いる粘土鉱物シミュレーションは、これまで、無限系がほとんどであったが、本研究では、初めて粘土鉱物の微粒子の模型を作成し、セシウム吸着のシミュレーションを行った。その結果、微粒子のエッジ表面において、基盤表面では見られない強い吸着が起こることがわかった。特に、セシウムイオンとナトリウムイオンの強豪吸着では、エッジサイトはセシウムを選択的に吸着することがわかった。また、本研究で開発したエッジサイトの力場の構成法についても解説した。

論文

Molecular simulation of cesium adsorption at the basal surface of phyllosilicate minerals

Kerisit, S.*; 奥村 雅彦; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦

Clays and Clay Minerals, 64(4), p.389 - 400, 2016/08

 被引用回数:29 パーセンタイル:74.44(Chemistry, Physical)

層状珪酸塩鉱物の基盤表面におけるセシウムの吸着特性について、分子動力学法を用いて系統的に評価した。層電荷と八面体構造の組み合わせにより計6種類の層状珪酸塩鉱物について評価を行い、層電荷の大きさが大きいほど吸着が強く、また、八面体構造の違いに起因する基盤表面のシリコン及びアルミニウムの微細な配置の違いが吸着の強さに影響を与えることがわかった。

論文

Modeling dynamics of $$^{137}$$Cs in forest surface environments; Application to a contaminated forest site near Fukushima and assessment of potential impacts of soil organic matter interactions

太田 雅和; 永井 晴康; 小嵐 淳

Science of the Total Environment, 551-552, p.590 - 604, 2016/05

 被引用回数:33 パーセンタイル:72.19(Environmental Sciences)

東京電力福島第一原子力発電所事故由来$$^{137}$$Csの移行評価のために、森林内$$^{137}$$Cs動態予測モデルを開発し、実サイトに適用した。地表有機物層に沈着した$$^{137}$$Csの溶脱及び土壌中の$$^{137}$$Csの吸着・輸送をモデル化し、既存の陸面水循環モデルに導入した。モデル計算は、有機物層から土壌層への事故後3年に渡る$$^{137}$$Cs移行を良好に再現した。長期予測の結果から、沈着した$$^{137}$$Csはその90%以上が30年間に渡り表層5cmの土壌に保持されうることが示され、森林では地下水経由の$$^{137}$$Csの流出は小さいことが明らかとなった。また、$$^{137}$$Cs動態に及ぼす土壌有機物の影響を評価するため、土壌中$$^{137}$$Cs動態のパラメータ(分配係数等)を変えた数値実験を実施した。その結果、この仮想的な土壌では、土壌有機物による$$^{137}$$Csの土壌粒子への吸着の阻害、粘土鉱物への$$^{137}$$Csの固定の低下及び固定された$$^{137}$$Csの再可動の促進が溶存体$$^{137}$$Cs濃度を増加させ、植生の$$^{137}$$Cs取り込みを増大させうること、数10年程度の期間に$$^{137}$$Csの大部分(約30%から60%)が深さ5cmよりも深い部分へ輸送されうることが示された。以上より、土壌有機物が長期に渡り森林内$$^{137}$$Cs移行に影響を及ぼすことが示唆される。

論文

Radiation-damage resistance in phyllosilicate minerals from first principles and implications for radiocesium and strontium retention in soils

Sassi, M.*; Rosso, K. M.*; 奥村 雅彦; 町田 昌彦

Clays and Clay Minerals, 64(2), p.108 - 114, 2016/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:21(Chemistry, Physical)

東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中に放出された放射性セシウムと放射性ストロンチウムは表層土壌中粘土鉱物に強く吸着していることがわかっている。住民に対する追加被曝線量低減のため、大規模な除染が行われ、表層土壌が取り除かれ、中間貯蔵施設に長期保存される予定である。しかし、長期保管中の放射性セシウムと放射性ストロンチウムの安定性についてはこれまで議論されてこなかった。そこで、本論文では、粘土鉱物中で放射性セシウムと放射性ストロンチウムが崩壊した場合の粘土鉱物の構造安定性を第一原理分子動力学を用いて評価した。その結果、それらの放射性核種の崩壊によって粘土鉱物の構造が変化してしまう可能性があることがわかった。

論文

粘土鉱物へのセシウム吸着機構解明; 原子・分子レベル構造解析からセシウムの環境挙動を考える

矢板 毅

放射線と産業, (138), p.13 - 16, 2015/04

福島第一原子力発電所の事故に伴い、大量の放射性核種が放出された。このうちセシウムは、粘土に強く結合し、環境の放射線量を高める主な原因となっている。本解説記事は、粘土への吸着機構について、放射光、第一原理計算など幾つかの分析手法による組み合わせにより、これまでにない新しい知見を得ることに成功した例を紹介している。

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